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ネオロマ中心はきちがえロマンスサイト。ラブΦサミットとか魔恋の六騎士の二次創作で更新中です☆

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DREAM LOVERS

アンジェリーク 魔恋の六騎士(ジョヴァンニ×テレサ)


…ちょっと遅くなりましたが、ジョヴァンニといったら4月1日にアップしなきゃ!と思い立ちまして。













DREAM LOVERS


 肩先に寒さを感じて、テレサは掴んだ毛布をずり上げた。
 毛布を引いても何の抵抗もないことに、ふと違和感を覚え、薄く目を開く。
 隣で寝ているはずのジョヴァンニの姿は、そこになかった。
 ベッドの上のぽっかりと空いた空間に、シーツの白だけが浮き上がって見える。
(ジョヴァンニ…?)
 テレサは眠りから覚めきらない頭を回して、広いとはいえない部屋の中を見渡した。
 彼と暮らすようになって―――ひとつのベッドで眠るのが当たり前になって、初めて知ったことがある。
 誰かと体を寄せあって眠るという、ただそれだけのことが、こんなにも温もりに満ちたものだということが。
 …一人で眠るのが、こんなに虚ろで切ないということも。
 仄かに色づき始めた明け方の光の中で、ジョヴァンニは古びた椅子に腰かけていた。
 テーブルに頬づえをつき、手の中のグラスを持て遊びながら、ぼんやりとそれを眺めている。
 彼が手首をひらめかせるたびに、グラスに注がれたワインの赤が揺らめく。
 鮮やかな真紅が、ふいに血の色に見えた。
 それを見つめるジョヴァンニの顔が優美で無表情なだけに、幻はいっそう凄惨さを増していて、テレサの心臓がドクンと跳ねた。
 眠気が一息で吹き飛び、はじかれたように起き上がる。
「…ああ、起こしちゃったかな。ごめんね」
 駆け寄るテレサに気づいて、ジョヴァンニが顔を上げた。
 その細い身体を、背中から抱きしめる。
 柔らかな髪に唇を押し当てると、甘ったるい葡萄の香りが鼻をくすぐった。
 ジョヴァンニはワインをこぼさないように用心しながらグラスを置いて、優しくテレサの腕に触れた。
「震えているよ。怖い夢でも見たのかい?」
 首を反らし、まっすぐに彼女を見つめて、いたずらっぽく笑う。
「以外と臆病なんだね、お姫様。君はとても勇敢な女性だと思っていたんだけど…フライパンを銅鑼がわりにして、この僕を起こそうとするくらいに、ね」
 おどけてそう言うジョヴァンニに、テレサは首を横に振ってみせた。
 それからもうひとつの椅子に座ると、彼の手を取って、自分の指をからめた。
「…無理しないで」
 泣きそうな声でテレサがつぶやくと、ジョヴァンニはそっと肩をすくめた。
 できれば誤魔化したかったけど、彼女は難なく見抜いてしまうのだ。
「僕は大丈夫だよ。―――ただ、何て言うのかな…血がたぎる、っていうのは、ちょっと物騒だね」
 ジョヴァンニはカーテン越しに差し込む、かすかな朝焼けの光を眺めた。
 オレンジ色の空は、あの騎士団での日々と変わらない。
 戦いを勝利に導いた後で、野営地へ戻る道すがらに見た空。
 夜を徹してカードゲームに興じながら、ふと窓から見上げた空。
 ―――瞳を閉じればそこに、失った戦友たちの姿がありありと浮かんでくる。
「…あんなに破天荒で面白い奴らには、もう出会えないだろうな」
 懐かしくて、もう戻れないとわかりきっていて、だからこそ切なくてやり切れない。
 日が沈み、また昇り。
 繰り返す日々の中で、けして戻れない場所がある。
「こんな感傷は、僕には似合わないよね」
「そんなこと、言わないで」
 本当は、不安な顔なんて見せたくない。
 僕はいつだって君の王子様で、君は世界一可愛らしいお姫様で。
 夢見たままでいたいのに、前触れもなく襲いかかる喪失感に、じっと耐えることしかできなくて。
「君だけは…僕のそばにいて」
 ほとんど哀願するように声を絞り出すと、ジョヴァンニは彼女の指に何度もキスをした。
 強がりでもいい。喪失感にかられながら、それでも必死で生きるから。
 僕の世界にはもう、君のほかに何もないけど―――君が僕を求めてくれるから、僕は僕でいられる。
 強くなれる。
 自分でも情けなく思うが、かすかに緊張しながら、テレサの顔を覗きこんだ。
 そこには気弱な彼を蔑むような色はなくて、むしろ…嬉しさで輝いているように、彼には思えた。
「―――私を世界一幸せな気持ちにしてくれる、素敵な王子様。貴方が寂しい時も、笑っている時も、私はいつでもそばにいるよ」
「病める時も健やかなる時も…って、なんだかプロポーズみたいだね」
「そういうつもりで言ったんだけど」
 眉をつり上げるテレサの、上気した頬を手のひらで優しく撫でる。
「…いいね。君と僕は同じ気持ちってわけだ」
 もうすぐ夜が明けて、いつも通りの賑やかな朝が始まる。
 誰といても、何をしても拭えない孤独を、せめて二人で分かちあおう。
 簡単に癒せるような傷ではないけど、それでもありのままに生きて―――そうして、心から笑いあえる時まで。
「少し早いけど、起きようか。早起きさせてしまったお詫びに、今日は僕が朝食を作るよ」
 するとテレサは、申し訳なさそうな、どこか面白がるような表情になった。
「それはすごく嬉しい提案だけど…私は、まだ寝ていたいな」
 テレサが立ち上がり、ジョヴァンニに覆い被さるようにして、その首に両腕をからめてきた。
 密着する柔らかい肢体に反応して、身体の奥から熱いものがこみ上げてくる。
「…確認するけど、それは目を瞑って眠りたい、という意味じゃないよね?」
「言わないとわからないなんて、勘が鈍っているんじゃないの?」
 挑戦的に言うテレサに、にやりと笑い返す。
「僕は君の、そういう率直なところが大好きだよ」
「私はジョヴァンニの嘘つきなところが、大好きだけどね」
 ジョヴァンニは笑い声を上げながら、テレサのネグリジェの肩紐をほどいて、鎖骨のあたりにキスの雨を降らせた。
 ぴくん、とテレサの身体に緊張が走り、やがて力が抜けていく。
 彼にもたれかかり、深い吐息をついた身体を抱え上げると、そのままベッドへ運んだ。
 ―――君はこの世界で唯一の、僕の居場所。
 もう失えない。手放せない。
 だから、愛という窮屈な箱に、僕を閉じこめて、縛りつけて。
 永遠に、離れないでいて。
「君を愛してるよ。―――この気持ちにだけは、嘘なんてつけないくらいに、ね」
 横たわり、身体を重ねあう二人を、澄んだ朝焼けが優しく照らした。













 











初めてのジョヴァテレです。ちょっと短いですが…。
プロットだけ思いついてつらつらとメモっていたら、3月30日になって「嘘つき男だからエイプリルフールに更新するとか…面白いんじゃね?」とうっかり気づいてしまって、あわてて書き上げました。
ちょっとやっつけだったかも…スミマセン(汗)

ジョヴァンニみたいに口の上手いキャラは書くの難しいだろうな、と思いつつ、いつかは書きたいと思っていたキャラです。
個人的には苦手なタイプなんですけどね…。
でも、アレですね、ぴくしとか拝見させていただいてると、ジョヴァはカップリングよりも、恋のお悩み相談の相手ってシチュが多いですよね。
ユージィンルートでもそういうポジションだったし。
なんだ、以外に不憫な人なんだ…(死)

タイトルは声優の川村万梨阿さんがずっと昔に歌っていた曲から。
歌詞とは違う方向に、話が進んじゃいましたけどね。
万梨阿さんのプリンセスヴォイス、めちゃくちゃ好きなんです!!!






 

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無題

こんにちは~。ジョテレ小説楽しく読ませていただきました~。
4/1はジョヴァンニの日。とても納得です(笑)

そうですね~。
ジョヴァンニだと、恋愛対象というよりは、楽しい話相手かも(笑)

で、ちょっと毒あり~と(笑)
  • えむけい(MK) さん |
  • URL |
  • 2012/04/10 (11:21) |
  • Edit |
  • 返信

無題

えむけいさんこんにちは!
レス遅くなってしまってすみません…このところパソコン開いていませんでした(-_-;)
いつも読んでくださって、ありがとうございます!

先日ついったで魔恋キャラ総選挙とかやっていましたが、
ジョヴァンニけっこう上位にいたんですよね…なのに恋人未満なポジションが似合うってwww

彼は個人的には「チャラチャラしたノリで、でもふとした瞬間にびっくりするくらいの誠実さを見せてくれる」…みたいなイメージで書きたいと思っているんですが、
それってジョヴァが好きな方たちにとって、彼らしい展開なのかがよくわからなくて。
うーん、やっぱり書きづらいですね…。
  • しきぶ@管理人 さん |
  • 2012/04/18 (19:29) |
  • Edit |
  • 返信
  

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