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ネオロマ中心はきちがえロマンスサイト。ラブΦサミットとか魔恋の六騎士の二次創作で更新中です☆

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(超勝手妄想)SPA☆パラ

…新年そうそうの魔恋創作は、ギャグです\(^o^)/

年末に近所の日帰り温泉に行って、露天風呂での~んびりくつろいでいる時に(←露天大好き)、

「店舗特典CDの『SPA☆パラダイス』ってどんな話なんだろう?」と思い始めて、

ソッコーで妄想してソッコーでプロット書きました。

何やってるんだろう、自分…。

ちなみに実際の店舗特典CDは聴いていないので、自分ではどう違うのかわかりません\(^o^)/

こんなんじゃないとは思うんだ、うん。

 

次は真面目なヤツを書こう…。









 


SPA☆パラ


 ざぶん。
「うおお! すっげえ気持ちいい!」
 ウォルターは勢いよく湯船に体を沈めると、感嘆の声を上げた。
「まったく、温泉って最高だな!」
「本当に…領主の好意に甘えて、正解だったね」
 先に湯に浸かっていたゲルハルトとショナも、笑顔で同意する。
 ショナは領主からもらったビニール製のアヒルの人形が気に入ったようで、湯に浮かべ、時折つついては目を細めていた。

 彼らはカインの指示で、ある星の視察に来ていた。
 視察は順調に終わり、領主の勧めで、温泉に入ってから帰還することにした。
 帝国の中でも南方に位置するこの星は、火山帯が多く、良質の鉱物が産出されることで知られている。さらに、各地で温泉が湧いていて、観光名所にもなっていた。
 領主の話によると、このスパ施設は天然石をそのまま切り出して作った露天風呂と、そこから見渡せる山の景色が特に評判らしい。

「今度は、騎士団のみんなと来ようぜ。もちろん、嬢ちゃんも誘ってな」
「そんなこと言って、女湯を覗きに行くつもりなんじゃねえの? ゲルハルト」
「なっ! ば、馬鹿言うんじゃねえよ!」
 ウォルターが茶化すと、ゲルハルトが真っ赤になって湯をかけた。
 すかさず、ウォルターもやり返す。
「騒々しいことですね…この風光明媚な景色が、台無しではありませんか」
 湯には入らず、悠然と石風呂の脇にあるチェアに腰掛けているユージィンが、不快そうに眉をひそめた。
「何してんだよ、ユージィン。入らないのか?」
 ユージィンは湯当たりしたという風でもなく、そもそも先ほどから、湯船に浸かってさえいない。
 疑問に思って、ゲルハルトが声をかけた。
「私は体を流せれば、それで充分です。温泉は…あまり好みませんので」
「えー、もったいねえ! こんなに気持ちいいのに」
「温泉には体を芯から温める効果もあるから、健康のためにも、入っておいて損はないと思うけど」
 ふだんは他人に関心がないショナが、珍しくそう勧めたが、ユージィンはなおも動こうとはしない。
「…もしかしてお前、熱い湯がダメなのか?」
「ああ、なるほど! 何かそんな感じがするもんな」
 ウォルターに色の白さを揶揄されて、かっとなったユージィンはチェアから立ち上がった。
「違います! 私はそんな不潔な湯に浸かるのが、我慢ならないだけで…」
「はあ?」
 ゲルハルトとウォルターが首をかしげる。
 ユージィンはしまった、という風に顔をしかめた。
「何だよ、俺たちが入ってるのに、イヤミな奴だな」
 口をとがらせてウォルターが言うと、ユージィンは厳しい目で彼らを見据えた。。
「…ウォルター、それからゲルハルトも。あなた方は湯船に入る前に、体を洗いましたか?」
「え?…ああ、いや、真っ先に湯に飛び込んだけどよ」
「つーか、どうせ濡れるのは一緒なんだから、わざわざ流さなくてもいいだろう」
「私は、あなた方のそういう野蛮なところが許せないのですよ…」
 怒りがこみあげてくるのか、ユージィンの体はプルプルと震えている。
「それからショナ。あなた、タオルを腰に巻いたままで湯に入っていますね。それもマナー違反ですよ」
「そうなんだ…。僕としては、全身を隠さないで入る方が、むしろマナー違反じゃないかって思ったんだけど」
「水臭い奴だな、ショナ。そんなモン取っぱらって、俺たちと裸のつきあいをしようぜ!」
「断る。僕に近寄るな」
 ゲルハルトが湯から立ち上がり、腰に手を当てて豪快に笑ったが、ショナは冷たい声で言い放ち、目を合わせようとすらしない。
「…とにかく、私はそんな不潔な湯に浸かるのは御免蒙ります。先に出ていますので、あなた方はゆっくりしてください」
「おおっと、そうはいかないぜ」
 ユージィンがきびすを返して脱衣室へ戻ろうとすると、ゲルハルトとウォルターはすばやく目配せして、ざぶりと湯船から出た。
 軽い身のこなしで、ウォルターが出口の前に立ちふさがる。さらにゲルハルトがゆったりと、しかし隙のない動作で、ユージィンをはさむ形でウォルターの向かいに立った。
「うっ…」
 騎士団屈指の体育会系二人に退路を断たれ、ユージィンの背中に冷たい汗が流れる。
 ニヤニヤと笑いながら、ゲルハルトとウォルターは距離を詰めた。
「さあ、ユージィン。俺たちと温泉に浸かって、気持ちよくなろうぜ」
「そうそう、遠慮しないでさ!」
「私は遠慮など…は、離しなさい!」
 前後から二人に羽交い締めにされて、激しくもがくユージィン。
 と、誰かの足が塗れたタイルの床でつるりと滑った。
「うおっ!?」
 体勢を整えることができず、彼らはもつれあって湯船に倒れ込んだ。
 ざっぶ―――ん!!!
「あ、アヒルが…」
 水しぶきに目を閉じたものの、なおも悠々と湯に浸かっていたショナは、年上の騎士団長たちの騒ぎなどお構いなしで、流れていってしまったアヒルの心配をしていた。
 あたりを見回すと、湯けむりの間に、ぷかりとうつぶせになって浮かぶゲルハルトの姿があった。その頭の上に、ちょこんとアヒルの人形が乗っている。
「良かった、君が無事で…」
 近づいたショナがアヒルの人形を胸に抱いて安堵の表情を浮かべていると、ゲルハルトが飛び起きた。
「ぶわっ!…ああ、びっくりした。ウォルター、大丈夫か?」
「ああ、何とか…って、ユージィン?」
 続いて湯から顔を上げたウォルターは、かたわらでうつぶせに浮かんだまま、動かないユージィンに気づいた。
「気絶したみたいだね」
 こんな時でも冷静なショナの言葉に、ゲルハルトとウォルターはあわてて彼を引き上げ、床の上に仰向けに下ろした。
 よほど湯船に入りたくなかったと見え、がっちりと固結びにされた腰のタオルは、この騒動でもまったくほどけない。
「水を吐かせた方がいいんじゃないかな」
「よし、俺にまかせろ。おりゃあああ!!」
 ウォルターが高く跳躍した。
 着地点は、ユージィンの腹の上――のつもりだったが、間一髪、意識を取り戻したユージィンが身体をひねってそれをかわした。
「…ウォルター、お前、加減ってものがあるだろ…?」
 さすがにあきれたゲルハルトが、そうつぶやく。
「…どうやら、命が惜しくないようですね。いいでしょう、お望みどおりにして差し上げます!!」
 ブチッと、何かが切れる音がした。というか、ユージィンがキレた。
 揺らめく炎のように立ち上がり、ただならぬ気配に息をのむゲルハルトとウォルターに対峙する。
 その手には、どこに隠し持っていたのか、極細の銀色のロープが握られていた。
「殺さないでね、ユージィン。持って帰るのが面倒だから」
 ショナはあくまで無関心な様子で言うと、アヒルを抱いて、さりげなく彼らから距離を取った。
「大丈夫です。死んだ方がましだと思う程度には、生かしておきますから」
「ちょ、お前、目がマジになってるぞ!」
「ひえええっ!!」
 十分に殺傷可能な強度と鋭さを持つユージィンのロープから逃れようと、悲鳴を上げながらゲルハルトとウォルターが逃げ回る。
 何というか、もう、温泉どころではなくなっていた。
「やれやれ。三人とも、大人しく温泉を楽しめないのかな」
 あきれて眺めるショナの鼻から、すっと、赤いものが筋となって流れた。
「…あ、鼻血」

 …その後、のぼせて倒れた四人は、もう二度とこのメンバーで温泉に入ろうなどとは考えまい、と固く心に誓ったのだった。

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